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Notes (藤井快哉・ピアニスト)

大阪音楽大学でピアノを教えながら、演奏活動をしています。

「いつかやりたい」から「もっとやりたい」へ

18日のリサイタルは沢山の感想をいただけてありがたかったので、お礼といって何ですがここで自分なりに思ったことを書きます。
そうしなきゃ、自主的にブログやっている意味がないでしょう?


好きな曲はどれでしたか?と言う質問に答えてくださった方々、有難う。
こんな質問に答えるのは、難しいよね?
でも演奏した以上は、知りたい。だから答えてくれたみんな、本当に感謝です!


結果は散らばりましたが、ディアベリを好きと言ってくださった方が半数以上いて、嬉しいと同時に意外でもありました。
白状します。
僕は、これまでCD等でディアベリを寝ずに聴き通せたことがないのです。(車内で軽く聴き流すのは別として)
それなのに自分が練習し始めたら愉しくて、本番直前になると一日中弾き続けたりしました。
もちろん暗譜しなきゃいけない、って頭があったからですが。
ライヴとCDの違いは大きいけれど、それでも一時間弱を一緒に集中して聴き通してくれたお客様には頭が上がりません。


それから最初に演奏した6つの変奏曲は、今回の演奏会で僕が一番アピールしたかったベートーヴェンの顔です。
顰め面だけのベートーヴェンなど、真っ平ゴメンです。
だからあの作品が一番好きだったと言ってくれた方々、もしそれをベートーヴェンに伝えることが出来たら、きっと彼は照れながらも喜び微笑んでくれると思います。
今回演奏した中で、最も作曲者自身の演奏を聴いてみたいと思った作品でした。


最後に「エロイカ変奏曲」を好きと言ってくださった方。これこそ今回のプログラムでは最もベートーヴェン的ですよね?
ところで「プロメテウス」ってどういう神様だか知っていますか?僕は直前まで勉強不足で知りませんでした。
彼は、反逆の神様・人類の恩人なのです。ギリシャ神話に出てくる神様の中では、ちょっぴりへそ曲がり者。(ギリシャ神話って面白い!)
「プロメテウスの創造物」はバレエ作品で、そこから作曲者自身が主題を転用しているわけだけれど、僕自身の想像では、この変奏曲を書いている最中もまだ「プロメテウス・・・」のイメージは残っていたのではないか、と。(ちなみにこの主題、バレエでは最後の饗宴の場面で用いられているそうな)
そうなると、立派な建造物のような演奏を目指してしまうとしっくりこなくなる。
ちょっと遊び心が必要な気がするのです。
だから本番は少し遊びました。その分リスクも犯したけれど(汗)


と、大雑把に振り返りましたが、如何でしょう?
最後に。
「よくもあんな無茶やるよな」とか「野心だけ先行して」とか言われましたが、まぁ仕方ないや、と思っています。
本当にそうだから。
でも、やらなきゃ始まらない。今やらなきゃ絶対この先やらないからやりました。
そしてやったら分かりました。「もっとやりたい」という事が。
大抵はリサイタルの後って、「もうこんなプログラムでは弾きたくない」と思うものです。
でも今回は違いました。将来、きっとこのプログラムに戻ってきます。
そうしたら、また聴きに来ていただけるかな?もうこれ以上聴くのは、辛い?(笑)
まぁそう言わずに、これからもひとつ、よろしくお付き合いください。