Notes (藤井快哉・ピアニスト)

大阪音楽大学でピアノを教えながら、演奏活動をしています。

声楽のレッスンと帰り道

他愛ない話だけど、書きとめておきたくなったから書きます。
本当は、先日体験レッスンに来てくださった学生さんに話したかったんだけど。


僕がピアノで音楽大学を受験しようと決めたのは高校に入学したときだから、ハッキリ言って遅いです。
最初にレッスンをお願いに行った先生にはけんもほろろにお断りされ、二人目にお伺いした先生のところでは、「まぁ、浪人して短大ギリギリ合格がやっと、ってところね。」と言われましたが、ゴリ押しでお願いしてみていただくことになりました。
だから、自分で志したくせに、最初のころのピアノレッスンはもう、行くのがイヤでイヤで。
「何で、こんなに馬鹿にされるねん!?」と思いながら通いました。
今になって考えてみれば、それもそのはず、冗談抜きでヘタクソでした。
高校時代のピアノの先生、よく耐えてくださったと思います。


でも、同じ頃に紹介していただいて通い始めた声楽のレッスンが本当に楽しかった!
歌の先生が本当に親身になって教えてくださったのが、忘れられないです。
「これだけ歌えるのなら、もしもの場合は声楽をやってみれば?」と勧められ、一時期は真剣にその道を考えました。
その先生のお宅にレッスンに行く楽しみは、教えていただく音楽の楽しさと、音楽に限らない色々な面白い話題。それからもう一つ。
帰り道のバスから見える神戸の夜景でした。
先生のお宅は六甲山の中腹で、帰りのバスはウォークマンで好きな音楽を聴きながら車窓を楽しみつつ山を下る。
メチャクチャ贅沢な気分でした。


ふとしたきっかけで、一時期は相当イヤ気がさしていたピアノのレッスンもすっかり楽しくなり、何とか音楽大学に入学できたけれど、高校三年間の受験生活を乗り切れた理由のひとつは、多面的なものの感じ方や考え方を教えていただけた声楽のレッスンと帰り道の夜景のおかげかもしれないです。


あ〜ぁ、我が家も六甲山の中腹にあればいいのに。