Notes (藤井快哉・ピアニスト)

大阪音楽大学でピアノを教えながら、演奏活動をしています。

「雨の歌」の歌詞

ソナタ「雨の歌」自筆譜冒頭

さて、明後日が3rd Streetのデュオ・リサイタルです。
やっぱり、気分転換に日記を書いてしまうことにしました。


ブラームス作曲のソナタ第一番・第三楽章の旋律は、歌曲集作品59-3「雨の歌」から用いられています。
明後日に会場受付で配布されるプログラムに書きたかったのですが、読みやすいスペースにしたくて載せるのを断念した歌曲「雨の歌」の歌詞(クラウス・グロート作詞)をここに掲載します。
このページをチェックして演奏会にも来てくださる方がいらっしゃいましたら、イメージを膨らませていただけるとうれしいです。


「雨の歌」


雨よ降れ、降れ
子供のころのあの夢を
もう一度呼び覚ましてくれ、
雨水が砂の上で泡立つ時に


すがすがしい冷気に、たちまち
夏のものうげな暑さが和らぐ時に、
そして青い葉が雨にぬれ
麦畑がいっそう青くなる時に


裸足で雨に打たれ、
草の中に手をさし伸べ、
手で水の泡に触れるのは、
なんと楽しいのだろう


そうでなければ、頬に冷たい雨を
受けとめて、
子供の頃に還った胸が、
初めて立ち上る香りに包まれるのは


濡れて水を滴らせている、
その盃の形をした花のように、
初めての香り、天からの露に
酔った花のように、心はらくに呼吸する


身震いのするほど冷たい、全ての雨滴が
降りてきて、この鼓動する胸を冷やし、
こうして、創造の聖なる営みが
私のひそやかな命に忍び入るのだ


雨よ降れ、降れ
あの昔の歌を
もう一度呼び覚ましてくれ
雨だれが外で音をたてていたときに
戸口でいつも歌ったあの歌を


もう一度、あの、やさしい湿った雨音に
耳を澄ませていたい
聖なる、子供のときに感じた畏れに
私の心はやさしくつつまれる

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